もう一度届きますように。

『ツバサ…。うそでしょ…。』

カウンターから飛び出し
ツバサに抱きつく。
3年間で背も少し伸びたようで
私を大きく包み込んでくれた。


『キヨ。会いたかった。』
ツバサは耳元で静かに言う。
そして私から少し身体を離すと
ポケットから小さな箱を取り出した。



『キヨ、結婚しよう。』
ツバサは箱からシルバーのリングを
取り出すと私の薬指にそっとはめた。

あふれる涙がツバサの肩を濡らした。


『ほんとに…だって…』
目の前の光景が
信じられず言葉に詰まる。

『うそじゃない。本当だよ。
俺と結婚してください。』

ツバサの真っ直ぐな目が
その出来事を事実だと教えてくれる。