もう一度届きますように。

#3

目がさめると横にいたはずのツバサはもういなかった。
携帯を見ると11時半。

『寝すぎた…。』
いつも基本睡眠時間は3時間弱。
寝過ぎると逆に頭が痛くなる。

冷蔵庫から水を出して飲む。
乾燥した喉に水の冷たさが心地よかった。
昨日風船でいっぱいだった部屋。
風船はほとんどしぼんでしまっている。
食べ終わったらお皿はそのままテーブルの
上にあったはずなのに
綺麗に片付けられている。
何もないテーブルの上に手紙が置かれていた。


‘‘キヨへ
楽しかった。また会いに来るね。
ツバサ ”


きっと今日も朝から仕事だったんだろう。
なのに無理して誕生日だから来てくれたんだろう。
でもそれは決して愛情とかじゃなくて。
愛情に似た友情なんだって
心に言い聞かせる。

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