もう一度届きますように。

コーヒーを淹れて軽く昼食を取る。
ユウさんが気を使って夜の仕事を休みにしてくれた。
だから今日はのんびりできる。

少ししたら支度して
街に買い物にでも行こう。
欲しかった本があった。
それを買いに行こう。

そんなことを考えながら
コップと皿を片付ける。
そういえばツバサがまた別に誕生日プレゼントを置いてったんだった。
ソファの横に置かれた紙袋。
中には箱が入っていた。


『なんだろ。』
丁寧に箱を取り出して開ける。
中にはネイビーのシンプルなハイヒールが
入っていた。

私が好きそうな、
ううん、私が好きなデザインの靴。
仕事でハイヒールを履くことが多い私の
靴箱にはたくさんヒールが入っていた。
どれも履き古したものばかりで
そろそろ新しいのを買わなきゃと思っていた時だった。


『ツバサはほんとずるいなぁ…。』


誰もいない部屋に
私の声が響く。
靴をしまうと私は出かける準備をした。