もう一度届きますように。
カランコロン

いつもの音が店に響く。
『急に呼び出して悪かったな。』
『別にいいですけど…。』

あくまでお客さんと店員。
店の中では誰に対してもお客さんには敬語を使う。

『急に来てキヨの携帯にかけて!っていうもんだから。悪ぃなキヨ。休みなのに。』
『大丈夫だよユウさん。そういえばケーキとお酒おいしかった。ありがとう。』

ユウさんは微笑んでピースを向けた。

『ほんじゃ、ま行くか。』

カケルはサングラスをかけると
私の手を引いて車に乗り込んだ。


『どこいくの?』
『俺のとこ。』
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