もう一度届きますように。
カケルが作ってくれたあさりのパスタ。
元から濃い味が好きではない私は
ユウさんの店で時々出してくれるまかないも
いつもあさりのパスタだった。

ユウさんは私のまかないをつくるために
あさり買ってきてるって愚痴ってたけど。

『キヨ。』
カケルに呼ばれパスタを見つめながら
曖昧に返事をした。

『キヨ、もうやめろよ。』
ぼーっとしたままの視線をカケルにうつすと
やっぱりあの目で私を見つめてきた。

逃げられない、
縛られてしまう。
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