もう一度届きますように。
『なにが。』
『ツバサとだよ。もうやめろよ。曖昧な関係のまま付き合ってくの。』
『別にツバサが来なければこの関係も終わるよ。』
『じゃあ俺がツバサにもう行くのやめろって言うからな。』
『それでもくるよ。都合のいいやつだもん。』
『それでも俺が行かせなかったら?』
『…。』


言い返す言葉が見つからない。

カケルの言う通りカケルが止めてしまえば
ツバサはきっと私の元へ来れない。
きっと会うことはなくなる。

私とツバサは連絡先を
交換してるわけじゃない。
もちろんカケルとも。それはあの店での暗黙のルールだ。お客と店員の関係は絶対。
プライベートには入ってこないって言ったユウさんも連絡先を交換することだけは頑なに許さなかった。
もし恋人関係なら別だったけど。

だからカケルは電話をかけてきた時
ユウさんの電話からかけてきたのだ。
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