もう一度届きますように。
『あれ、キヨ髪切った?』

いつものように音を立てドアを開くと
目の前に立っていたユウさんは
キョトンとした。

『髪切ったの。似合うかな?』
ずっと長かった髪。
今までは切ると言っても毛先を少し切るとか
そんなんだったけど
今回はばっさり。
カラーもし直した私の髪は
落ち着いたブラウンのショートになっていた。


『なんだか高校生のキヨを思い出すよ。』
ユウさんはどこかを見つめて呟いた。

高校生の時私は長い髪が嫌いで
いつも短くしていた。

そんな私がロングにしたのは
まぎれもなくツバサの影響。
ツバサと出会った頃はまだ肩に少し付くくらいの長さだった。
けどツバサが何気なく言った、
『やっぱ俺はロングの女の子が好き!』
その言葉を聞き逃さなかった。
それからだ髪を伸ばすようになったのは。
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