もう一度届きますように。
『好きだよ。大好き。
本気で愛してた。

でももうお別れ。
私ももう子供じゃない。
いつまでもこんなんじゃダメなの。
ツバサも大人になって。
もう終わりにしよう。』


ツバサは静かに私にキスをした。
私の涙をそっとなぞって
ポケットから出した合鍵を
テーブルに置いた。


『キヨ…バイバイ。』

さよならを告げたツバサの顔は
見なかった。

バタンとドアの閉まる音がすると
身体の力が抜けた。
一気に崩れ落ちた私はひたすら泣いた。

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