もう一度届きますように。
明け方まで飲んでたからか
上手く声が出なくて
その日は何回も撮り直した。

夜またキヨのところへ行こうとしたのに
時間がなくて結局行く暇がなかった。

イラつきながら携帯を見ると
何十件もの着信。
全部彼女からだった。
いや彼女なんて形だけ。

もう気持ちなんてなかった。
好きも会いたいも
そう思うのはキヨだった。

キヨと曖昧な関係を持った半年後、
ガキだった俺はキヨ以外に女を作った。
キヨは俺と寝てから俺に好きというわけでもなく付き合って欲しいと言うこともなく
ただお互いカラダだけの関係だと認識してた。

けど俺はその日からキヨに惹かれてた。
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