もう一度届きますように。
『好きだよ。』

キヨのその言葉に
顔が思わず緩んだ。

そして俺はそのとき決めた。
彼女とちゃんと別れよう。
別れてキヨに言うんだ。

ずっとずっと好きだったよって
キヨ以外はもういらないから。


キヨだけの俺でいよう。


俺がキヨのこと好きって
わかったら
キヨ喜んでくれるかな。


でもいまはまだ言える立場じゃない。
ちゃんとけじめつけてから
キヨにまたあいにこよう。


俺は心の中でそう繰り返した。


だけどキヨは泣いていた。
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