もう一度届きますように。
俺はキヨにキスをした。

もしかしたら最後のキスかもしれない。


キヨがあまりにも泣くから
塩の味がした。

俺がこんなにもキヨを泣かせたんだ。
キヨを知らない間に傷つけて
キヨをダメにしてた。


『キヨ…バイバイ。』

俺はポケットの合鍵を
テーブルの上に置いて
キヨの部屋を出た。



もう会えないかもしれない。
だけど俺は絶対キヨに会いに来る。


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