もう一度届きますように。
開演の時刻が近づいてきたので
私たちもブロック内へ進む。
スタンディングだったので席の仕切りはなく
ただ柵があるだけだった。

レンはテンションが一気に上がったせいか
私の手を引いてどんどん前へ進む。

前から2列目の場所まで来てレンは
満足そうに笑った。

『やばい近すぎて緊張してきた。
めっちゃ楽しみやわ。』

私もつられて笑った。
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