もう一度届きますように。
家に着くとそのままベッドにもぐる。
何も考えたくなかった。
まだぐるぐると気持ち悪さが残る。

レンは買ってきたスポーツドリンクを
私に手渡した。

『水分とらな。』


『っ!』
そう言って私の肩を支えるレンの手を
私は咄嗟に振り払ってしまった。

はっとして
レンを見るとびっくりしたような
悲しげな顔をしていた。

やめてそんな風に私を見ないで。
私が別れの時に放った言葉を聞いて
ツバサが切なそうな顔をした時と
同じようにレンは私を見つめた。
< 71 / 137 >

この作品をシェア

pagetop