もう一度届きますように。
『キヨ…っ』
エレベーターの音と同時に
レンが駆け寄る。
慌てて離れた私。

涙をぬぐいながら
レンの方を見る。
驚きを隠せない様子だった。

『なにしてんねん…
ていうかそこにおるのって…。』

しまったと思った時には
レンはもうツバサだということを
気づいたようだ。

帽子だけしか被ってなかったツバサは
帽子を深くかぶりなおした。

『状況のみこめへんわ…
どうなってんねん…。』
頭を抱えるレン。
とりあえずこのままではまずいと
玄関先にいる2人を
家の中に引っ張った。
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