もう一度届きますように。
『レンにはいっぱ思い出もらったよ。
いつもそばにいてくれてありがとう。
…これで終わりにしよう。』

レンは優しく微笑む。

『いつもキヨが心配やった。
我慢してへんかな無理してへんかなって。
けど俺が心配するほどキヨは弱くなかった。
ツバサのこと俺がどうにかできる問題じゃなかった。
キヨが向き合うって決めたんなら俺はそれを応援する。
ほんまにキヨのこと好きやった。
これでさよならや。』



レンは静かに立ち上がると
私の頭を優しく撫でた。

いつもの大きな手の平が
暖かく私を包んだ。

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