山あり谷あり、恋もあり。
私は
村山香織(むらやまかおり)。
今年の4月から高校生になった。
入学してもう1ヵ月経ち、友達もできて、学校生活にも慣れてきた。
「ごめん秀太・・・お待たせ。」
玄関の扉の横で、壁にもたれながら腕を組んでいるこの人は
三谷秀太(みたにしゅうた)。
私の隣の家に住んでいて、親同士の仲が良く、生まれた時から一緒にいた。
ちなみに誕生日は1週間違いで、私が2月20日、秀太が2月27日。
私の方が少しだけお姉さんなの。これは大事なポイント。
お隣さんだから、小学校も中学校も一緒だったんだけど
お互い、家の近くの高校が良いっていう理由で、高校も一緒。
小学生の時から一緒に登校していたから、それは今でも変わらず続いている。
でも、私は遅刻くせがあるから、秀太がいつも迎えに来てくれるんだ。
これだけ聞くと、秀太って優しいやつって思うでしょ。けど全然そんなことなくて
「お前遅い。いい加減早く来れないの?
それに、なにそのボサボサ頭。」