山あり谷あり、恋もあり。
私たちの通う学校までは歩いて10分ちょっと。
学校に着いて門を通ると、最近なぜか周りがそわそわし始める。
そして、私たちには聞こえない声でひそひそ話を始めるんだ。
『・・・三谷と村山さんっていつも一緒に登下校してるけど、お似合いだよな。付き合ってるのか・・・!?』
『・・・香織ちゃんって、秀太くんと付き合ってるのかな、あんなイケメンと羨まし~い・・・』
何か話があるなら、直接言ってくれればいいのに。
陰でこそこそ言われるのが私はとても嫌で
「ねぇ秀太。またなにか言われてるみたい私たち。」
そうやって愚痴をこぼすと
「そんなのほっとけ。勝手に言わせとけばいいんだよ。」
と、秀太はあまり取り合ってくれない。
ふんっだ。なんでそんなに澄ましてるんだ。
こっちはすごく嫌なのに。