山あり谷あり、恋もあり。

Side:香織


「もう~、なんで起こしてくれないの!!」





ハァ・・・ハァ・・・



坂道を走るのはしんどい。




「なんで自分で起きねーんだよ。」



「起きれないから秀太が起こすんでしょ。」



「こんな日に、俺が行くまで寝てるって、バカだろ。」



秀太は余裕そうに、私の少し前を走っている。




「だいだい、俺がこうしてお前ん家に行ってやってること自体普通じゃねえんだからな。」





普通って何よ。



私と秀太の間じゃこれが普通じゃん。



スタンダードじゃん。




確かにさ、感謝はしてるよ?



でもさ、困ったときはお互い様って言うし


秀太は幼馴染でしょ、私の。



私たちにとっては、これが普通なんだよ、他と比べちゃダメなんだよ。




だけど、これでもちゃんと、秀太には…感謝してるんだからね!
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