山あり谷あり、恋もあり。
「草壁、草壁ってうるせーんだよ。
言っとくけどな、お前待ってなきゃ、俺は遅刻になってないんだよ。」
「まだ遅刻じゃないじゃん。」
「こんなギリギリになることも無かったんだよ。」
「うるさいなーもう。」
黙って走れないのかな。
秀太、さっきから私に対する不満ばっかり言ってくる。
見えない何かにつまずいてこけてしまえばいいのに…。
秀太の顔を見ながらそんなこと思い走っていたら
「あっ・・・」
時間の進む流れが遅くなったように、視界がゆっくり下がっていく。
やばい、つまいずいた。
つまずけ、と思ったそばから、私がつまずいてる。
どうしよう、転んじゃう。
地面がだんだん近づいてくる。
「おいっ。」