山あり谷あり、恋もあり。
私の左腕が、ガシッと掴まれ、すごい力で上に引き上げられた。
気づけば
傾いていた私の体は、地面に対して真っ直ぐ立っていて
すぐ目の前にいる秀太と目が合った。
「お前、何もないとこで転ぶとかバカだろ。
ちゃんと気をつけろよ。」
秀太は、少し怒っているような
心配しているような
なんともいえない表情をしていた。
「あ、ごめん。
・・・ありがとう。」
秀太ごめん。
秀太は私が転びそうなところを助けてくれたのに
私は秀太に、転んでしまえとか
そんなひどいこと思ってしまった。
別に本気で思ってたわけじゃないけど、少し反省…。
とりあえず、今ので、さっきまで私に浴びせたひどい言葉は
無かったことにしてあげる。
「まじで遅刻するから行くぞ。」
秀太と私は再び学校に向かって走り出した。
「うん。門まで勝負しよっか。」