山あり谷あり、恋もあり。
「負けるって分かって勝負するバカ、ほんとにいるんだな。
また転ぶぞ。」
「さっきからバカばっか言い過ぎ。
それにもう転ばない!」
「香織はバカだからな。」
「バカじゃないもん。中学の時1番取ったの知ってるでしょ!」
「勉強ができるできないのと、バカかバカじゃないかは別なんだよ。」
どうでもいい言い争いをして走っているうちに、学校の門が見えてきた。
他学年の生徒が、時間に余裕そうにして歩いている中
私と秀太はその人たちの間を縫って、集合場所のグラウンドを目指す。
そして、校舎の間を抜けると、グラウンドに生徒が集まっているのが目に入った。
「あ、あそこに…美咲と陽祐…いる!」
私は走るスピードを上げる
・・・なんてことはできなくて
というより、もう疲れて走れなくて
ヘロヘロになりながら、美咲や陽祐が並んでいる列の所へ行った。