山あり谷あり、恋もあり。
「香織のこと待っててあげるとか、秀太もお人好しだね。」
いやいやいや、全然お人好しじゃないよ!
朝から私
秀太にバカ呼ばわりされて、怒られてばっかりなのに。
でも、ちょっと今
話せるほど呼吸が整えられなくて
心の中で美咲に反論した。
「ちげーよ。
置いていくと母さんに何いうか分かんねーから
単純に一番安全な道を選んだんだよ。」
あ、秀太自分で否定した。
待って怒るくらいなら、もう少し早く起こしに来てくれてもいいのに。
今度から、何時に起こしてって、連絡入れてから寝ようかな…。
「香織、秀太がいて良かったねー。」
美咲が私の肩を軽くつんつんしながら、楽しそうな声で話しかけてくる。
とりあえず、まだ息が上がっていて話せない私は
コクコクと頷く。
今日のことは置いといて…いや、置いちゃだめだ。
転びそうになった私を助けてくれたのは秀太だし
なんだかんだ先に行ったりすることなく一緒に走ってくれたし。
秀太がいて良かった・・・のかな?