暴走族に恋をする。
「外いってくるわ。」
なんか、イライラして無性にタバコが吸いたくなって、俺は社長室からでた。
禁煙なんて文字はもう俺から消えていた。
「あれ、快斗さんこっち来るなんて珍しいですね。」
「あー、うん。
向こうの部屋禁煙になったんだわ。
だからこっちでな。」
俺はみんなのいるここで、タバコに火をつけた。
一本吸えばこのイライラも消える。
このイライラはどうせヤニ切れ。
ただのヤニ切れ。
………なのに、一本吸っても俺の機嫌はなかなか直らなかった。
「あれ、快斗禁煙は?」
「………おー、隼斗。
禁煙は難しいな~。」
俺はもう、2本目のタバコに火をつけていた。
「でもあの女に好かれたいんじゃねーの?」
「………そうなんだけど…」
「なに、フラれたかー?」
「うるせーよ。殴られてーのかよ。」
「まぁそんなキレんなよ。」
そういって隼斗は奥へと行った。
フラれた、なんて一回だけじゃない。
だけど、蓮が女と仲良くしてるところも
桜子ちゃんが涼介以外の男と仲良くしてるところも
見たことなかったから………
「快斗。吸い終わってすっきりしたか?」
「………今度はゆっきーか。」
「タバコに逃げんなよ。」
「……っていいながらゆっきーも吸ってんなよ。」