暴走族に恋をする。



そのあとオチケンも戻ってきたから、俺はオチケンと部屋に戻った。

戻ったときも、桜子ちゃんはまだ蓮の横に座ってて、仲良さそうに話していた。


「………桜子ちゃん、明日数学小テストなんでしょ?
勉強しないの?」


「あー、もうしたから。
黒崎くんに教えてもらいました。
………っつー…」


「お前ほんっと進歩しねーのな。
頭悪いわ、ほんとに。」


………そのデコピンなんなんだよ。
しかも数学は俺じゃねーのかよ。
なんで蓮なんだよ。


「癖なんだから仕方ないでしょ。
今さら変えるなんてできませ、…った…」


「俺はもう中指がいたくなってきた。」


「私の方が痛いよ!
もうおでこ絶対赤くなってる…」


「おー、赤い赤い。
ウケるな。」


「あなたがやったんでしょうが!」


………この仲の良さ。
俺なんか眼中に入ってないのかな。


「…桜子ちゃん、こっち座りなよー。」


と俺が勇気を出して言っても


「タバコ臭い人はイヤです。」


と即答された。
そしてまたなぞのデコピン。
桜子ちゃんはもう涙目で、そんな顔まで可愛いのに目線の先には蓮。


なんか…こんなことならこいつらに会わせるんじゃなかったな。
俺だけの桜子ちゃんにしとけばよかった。


「帰るわ。」


蓮と仲良くする桜子ちゃんを見たくなくて、俺はさっさと立ち上がって部屋から出た。



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