暴走族に恋をする。



俺の言葉にその場はシーンとしたが、すぐに教室に

バチン!

という音と、俺の頬に伝わる痛みだけが残り、目の前には涙目の桜子ちゃんが眉をひそめて俺を睨み、教室から出ていった。

俺はここでやっと、桜子ちゃんが俺を叩いたんだと気づいた。


「さすがに言い過ぎ。」


と、もはや俺のダチも苦笑い。


「快斗がなんでそんなキレてんのかわかんねーけど、それを天宮さんに当たるのはダメだろ。」


とまで言われる始末。
そこにまた一人

「おはよ、快斗。」

早坂が加わった。


「……なんか用?」


「驚いたよねー、天宮さん。別人だもん。
快斗が彼女にしたのもわかるよ。」


……は?


「彼女!?え、快斗付き合ってんの!?天宮さんと!?」


俺の隣で相変わらず騒がしいやつがまた騒いでるけど俺はそれどころじゃない。


「……なんでしってんの?」


蓮たち以外、誰にもいってなかった俺と桜子ちゃんが付き合ってる事実を、なんでこいつが知ってるのか不思議で仕方なかった。


「天宮さんから聞いたの。」


……なんだ、そういうことか。
ビビらせんなよ…


「ほら、私って駅から歩きでしょ?
今日学校まで歩いてたら突然天宮さんに話しかけられたの。
この格好、変じゃない?って。

もう別人過ぎて最初わかんなくってさ、でもよくみたら天宮さんで私もすっごい驚いたよ。」


……だから?
そんなことをわざわざいいに来たのかよ。
俺が機嫌悪いことを知ってて。


「急にどうしたの?って聞いたら天宮さんが言ったの。
快斗と付き合うことになったけど、釣り合う努力をしろって昨日怒られたから、って。」


………え?


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