暴走族に恋をする。
「本当は恥ずかしくて仕方ないけど、快斗に好かれるためにってさ。
どこまで真面目で健気なのって思っちゃったけど、なにも言うことがないくらい完成度が高かったから、それなら快斗も喜ぶと思うよって言ったら天宮さん、ぎこちなくだけど笑ったの。
わかった?
本当は嫌だけどあの格好で学校に来たのは快斗を喜ばせるため。
少しは女心くらい、わかってあげなさい。
女って言うのは好きな男のためなら努力する。
天宮さんは快斗に可愛いって言ってもらいたかっただけ。
喜んでもらいたかっただけ。
なのにあんたが天宮さん傷つけてどうすんの。」
早坂の言葉に俺の頭は一回停止したけど、すぐに体を立ち上がらせた。
「図書室。」
「……え?」
立ち上がった俺に、今度はずっと隣にいたダチが俺にそう言った。
「俺昼休みによく図書室に入る天宮さん見たことあるよ。」
俺はその言葉に、急いで教室を出て図書室へ向かった。
だけど教室を出てすぐに握りしめてたスマホが震えて、画面を見るとゆっきーからの電話で
俺はとりあえず走るのをやめて電話に出た。
「なに。今時間ないんだけど」
『あれ?もう授業?』
「そうじゃなくて
……とにかく用件は?」
ゆっきーも怒るとめちゃくちゃ怖いし、面倒だからとりあえず話だけは聞いとかねーと。
『あー、そうそう。
昨日快斗怒ってたじゃん。桜子に。
どうせあれでしょ?嫉妬してあたったんだろ?
でも桜子、買い物に俺らをつれていったのは快斗の好みを聞くため。
快斗は一緒に来てくれなかったからって。
まぁ快斗の好みなんてぶっちゃけよくわかんないから俺らいても仕方なかったんだけどさ。
あの髪型もそう。快斗は首とか見えてる方が好きだと思うって俺が言ったらすぐに変えてさ。
だから、あんま桜子を責めんなよ。
ちゃんと仲直りしろよー?じゃ、それだけ。』
……もうおせーよ。
そんなことだとも知らずに昨日キレて、俺はまた傷つけた。
桜子ちゃんの気持ちなんか全然わかってあげようとしなかった。
あんなに頑張ってくれてたのに、なんで俺は昨日努力をしろなんて言ったんだ。
桜子ちゃんはいつだって真面目で他人のために頑張る子だって知ってたのに……