暴走族に恋をする。



「でも強がってないと、快斗の怒ったときの迫力に負けて泣いちゃいますよ?」


「……ごめん。でも泣いていいよ?
そんな桜子ちゃんが見れるのは俺だけだもんね。」


「意地悪ですね。」


「はは、そうかも。

……また桜子ちゃんに当たっちゃうときあるかもだけどさ
俺は嫌いにならないから。

きっと俺らが別れるときは桜子ちゃんに嫌われたときだと思うし。」


「それもないです。
……私はタバコを吸っていても、暴走族でも、快斗を好きになったので。」


「はは、そっかー。
じゃあ俺らは別れないな。」


……なんて、ただのバカップルみたいだけど、俺はそれくらい桜子ちゃんが好きだ。大好きだ。


「…ごめんなさい。叩いて。」


「ん?大丈夫だよ。
俺もごめんね、ひどいこと言った。」


「いえ、大丈夫です。
追いかけてきてくれたので。」


「じゃー、これで仲直りね。」


ということで俺は桜子ちゃんから離れ、前に移り、すぐに椅子に座る桜子ちゃんにキスをした。

触れるだけの、キス。


だけど離れた瞬間、桜子ちゃんは下を向いた。


「……もう終わり?こっち向いてよ。」


「だって…恥ずかしくて…」


今日は下を向いてても髪の毛が耳にかかってるから顔がよく見える。

真っ赤になったかわいすぎる顔が。


……よし。



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