暴走族に恋をする。
「で、家ここ。」
「………え?」
こ、ここ…?
なにこの豪邸は………
「ん、おいで。」
快斗はそういって、純和風のお屋敷の門を開けて、私を連れて中へ入った。
「うわー、池…」
しかも錦鯉付き…。
「………快斗の家は代々政治家って言ってたけど…大臣とかいた?」
この豪邸さはなかなかなところまでいかないと………
「うん、俺のじいさんは元総理。」
「えぇ!?」
そ、総理って…
「トップシークレットね。」
快斗はそういって立てた人差し指を口元に運んで可愛く言ってるけど……
もはやそれどころではない、よね。
「…黒崎くんたちは知ってるの?」
「知らないよ。
俺もともとはここじゃなかったから。
っていうか、みんな家のことなんか話さないし。」
「………そう、なんだ。
おじいさんが総理大臣、か…
じゃあ、嫌なこともいっぱいあったんだろうね。」
「…え?」
「子供は素直で残忍だから。
………からかわれたりしなかった?」
私がそうきくと、快斗は私の手を握りしめたまま、家の中へと入った。