暴走族に恋をする。
「ただいまー。」
そういって、私の質問なんか聞いてなかったように。
「お邪魔します」
とんでもなく広い玄関に、とってもきれいなベージュのスリッパ。
なんとも履きにくい。絶対汚せない。
「おかえりなさいませ。」
「うん。」
………で、家政婦さん?
なんなの?お坊っちゃまなんだね?
私がこんなところに来ていいのか?
「母さん彼女~。」
「あら、おかえりー。」
………で、お母様、と。
とんでもなく綺麗で、若い。
そして快斗そっくりだ。
「…あ、お邪魔してます…
天宮桜子と申します」
と、ペコリと頭を下げると、ドタバタ足音をたてながら、お母様がこちらへと来られた。
「えぇ!快斗の彼女!?こんな子が!?
いやー…
………本当に快斗でいいの?」
………そっくりだ。
性格までそっくり。
「余計なお世話。
それよりさくらは?」
「さくらならいつものところで日向ぼっこしてるんじゃない?」
「ふーん、りょうかーい。
あ、今日彼女も飯食ってくから~。」
「え、快斗家でご飯食べるの?
めずらしー。」
おーい、お母様がまだ話してらっしゃるのに、部屋から出ていっていいのかーい。