暴走族に恋をする。



「…快斗みたいな人が総理大臣になればいいのに。」


「え?俺?いやいや無理でしょ。
俺がなったらハチャメチャになっちゃうよ。

…それに、小学生にすら法律の意味を教えられなかった俺じゃ、国民全員に理解なんてしてもらえないよ。」


「そのために今勉強してるんでしょ?」


私がそういうと、快斗は笑った。


「…そうだよなー。俺も未熟だったってことだもんなー。」


「そうそう。まだまだこれからだよ。
…そういえばさ、快斗はT大行くの?」


「えー?高校入学してまだ1ヶ月もたってないのにもう大学の話?

まぁ俺は私立がいいから名堂かな。あいつらもいるしね。」


名堂、か………
そうやって簡単に言えることが羨ましい。

私も、最後のチャンスなんだ。
次こそは絶対に落ちるわけにはいかない。


「よし、じゃあ今日は現代社会をお願いしよっかな~。」


「えー!数学にしなよ!」


「今は現代社会をやりたい気分なの。」


「なんだそれ。」


きっと、快斗ならいつかできる。
こんなにも教えることが上手なんだから、法律の大切さを例え小学生相手だとしても、快斗なら………


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