暴走族に恋をする。
━━━そして、快斗とさくら
快斗のお母さんを食べていると
「あれ、お客さんかな?」
新しい声が加わった。
「あ、おかえりなさい。」
おばはんがそう言った瞬間、私はすぐに立ち上がった。
「お邪魔してます。快斗くんとお付き合いさせていただいています、天宮桜子と申します。」
恐らく快斗のお父さんであろう、スーツ姿の男性にすかさず頭を下げた。
「え、お付き合い……ってことは快斗の彼女?
こんな子が?」
……こんな子って…
「そ、彼女。」
快斗はそういって、私の横に立った。
「俺の父さんな。」
「よろしくお願いします。」
なんていうか……家に行きたいとは言ったけど、付き合って数日でご両親にお会いするとは……
「……まさかこんなしっかりした子が快斗みたいなやつとお付き合いしてくださるなんて……
こちらこそ、よろしくお願いします。」
あ、こんな子って悪い意味じゃなかったのか。
よかった。
「座れば?飯途中じゃん。」
「あ、うん。」
といっても、お父さんはまだ立ってるしな…
「あ、お構い無く。
俺も食べるし、座って座って。」
「ではあの…失礼します。」
といいつつ、目の前で私はまた椅子に座った。
「いやー、まさかこんな綺麗で礼儀正しい子を連れてくるなんてなー。」
い、いやいやいや……
全然ですよ…
「さすが俺っしょ。」
……仲、いいんだな。
いいな。