暴走族に恋をする。



「やべー、天宮さんに名前覚えられてるんだけど。」


「なに感動してんだよ。人の彼女に名前呼んでもらえたくらいで。」


……しかもクラスメイトの名前くらい、覚えるよ…
しかも快斗の友達だし……


「あ、天宮さん今日ネクタイなんだ~。
……意外と快斗って独占欲強いんだな。ネクタイ渡しちゃって」


「るせぇよ!さっさと学校行けよ!」


「まぁまぁまぁ。ここで会ったのもなにかの縁。一緒に行こうぜ。

ね、天宮さんもいいよね?」


「あー、はい。私はどちらでも…」


どうせ私はそんな喋んないし。いてもいなくても。


「やったねー。
そういやもうすぐゴールデンウィークだな!
快斗なにすんの?」


「さぁ?
桜子ちゃんは?塾?」


「うん、そうだけど。」


「なら俺は教習所かな。
俺かなり通ってるし、来月中旬には免許とれそうだし。」


「なんだよ、遊べねーじゃん。」


「暁斗(あきと)と遊んでる暇あったら桜子ちゃんと遊ぶわ。」


いや、絶対日比野くんとも遊んであげてください。
お友だちでしょう。


「あの、快斗と日比野くんはいつから仲良いの?」


「んーとねー、小学生のころこっち引っ越してきて、最初の友達が暁斗だったんだよ。
だから蓮とかとも仲良いよ。」


「へぇ…そうなんだ。」


「ま、俺は暴走族じゃないけどー。」


だからかな。
快斗が他の人との接し方がこの人とは違う気がする。
やっぱり、黒崎くんたちと同じような接し方な気が……


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