暴走族に恋をする。
━━━そして今日の音楽はギターだった。
ギターは初めてだし、やり方を聞いたらあとは自主練ということで、窓側の隅に座る私の席の前に暁斗くんが来た。
「教えよっか~?」
「暁斗くん、ギター出来るの?」
「そりゃバンドマンだから!」
「んー、ならお願いします。」
受験には関係ない音楽は、テストでそこそこできればいいから、私も息抜きの時間。昔から。
「机どかすわ。」
私たちの間の机を暁斗くんが移動させようが、成績にはあまり影響しないからどうでもいいくらいに。
「お願いします。」
「おう。」
そして二人して窓の方を向き、回りをシャットアウト。
不器用な私が初めてさわるギターにもかかわらず、すぐに音階だけでも出せる用になったのは暁斗くんのお陰だと思う。
「な、簡単だろ。」
「暁斗くんの教え方が上手なんだよ。」
これなら課題曲のキラキラ星はすぐに弾けそう。
……と、いうことで残り時間はおしゃべりタイムとなっていた。
いつの間にか先生もいないし。