暴走族に恋をする。



「暁斗くんって彼女いるのかと思ってた。」


「え?そう?
でも俺彼女できたことないんだよー。

中学ん時さ、女好きで彼女が何人もいる快斗と、女に全く興味がない蓮といたせいか、俺まで全然本気で相手してもらえなくてさー。

隼斗も知ってるんでしょ?
隼斗も一緒であいつも彼女できなくてさー、結局セフレに走ったって感じ。

俺だけだよ、昔からこんなに女と真面目に向き合ってるのは。
……なのに快斗に先越されるし。
いいよな、モテるやつは。」


「同じクラス?」


「は?」


「好きな人。」


「……俺のことなんか眼中にねーよ。」


質問の答えになってませんけど。


「なんでわかるの?」


「快斗のことが好きだから。
そいつが。」


「え、そうなの?」


……といっても、確かにあの人モテるから、それだけで特定するのは難しいなー…


「同じクラスだよ。」


「え、うそ。ほんと?」


「俺は快斗と違って、まだ他のクラスの女まで把握してないんで。」


……快斗と違って、って…
快斗ってどんだけ女の子好きなのさ……


「じゃあ今日これから観察してみる。」


「まぁそんなんでわかるとは思えないけどな~。」


「相手は誰だかわかんないけどさ、でも応援してるね。
大好きなの、なんか伝わってくるもん。」


見た目はいかにも不真面目で、軽そうだけど…でも本当に好きなんだなって伝わってくる。

なんとなくだけど。


「……やっぱ笑うと格別に可愛いんだな~」


「何言ってるの。」


……やっぱり、基本的に快斗の友達なんだな、こういうところは。


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