暴走族に恋をする。
とにかく、今は暁斗くんの観察だね。
……といっても、目線の先には私と莉奈しかいないんだけど…
……私と、莉奈しか…
…………あれ?
おーい、私もいますよ?
なんで私には全然目線が来ない?
どうして莉奈ばっかり…
……え?
「もしかして、暁斗くんの好きな「うわ!ちょー!!」
……暁斗くんの好きな人って……莉奈…?
「暁斗の好きな…なに?」
「なんでもねーよ!
ただ俺の好きな食べ物なんでしょうってさっき変なクイズだしたから、その答えが今わかったんじゃね!?
ね!桜子ちゃん!」
……ね!と言われても…
そんながっつり手で口を押さえてたら私、何もしゃべれませんけど。
そして今度は私をどこにつれていくんだよ~
「……今ご飯中なのに…」
私の口は廊下に連れ出されてから、ようやく解放された。
「桜子ちゃんこそなに言おうとしてんの!」
「莉奈なの?好きな人。」
私がそういうと、明らかに暁斗くんの顔がみるみると赤くなっていった。
「はは、わかりやすいね。」
「……言うなよ。」
「言わないよ。そんなデリカシーないように見える?」
「さっき、あそこで言おうとしたじゃん。」
「ごめんね。
快斗は?知らないの?」
「……知ってたら、あいつはもっと俺のためにって行動する。
しかも言えるかよ。
女に不自由しなかった快斗に、俺が片想いで悩んでるなんて。
しかも莉奈は快斗のことが好きだったわけだし、そんな虚しいこと、言えるわけねーだろ。」
へぇ…本当に好きなんだなぁ……