暴走族に恋をする。
「莉奈かぁ…まぁ可愛いもんね。」
「……それだけじゃなくってさ
あいつ、あんな見た目だけど、前に転んで泣いてた子供に駆け寄って立たせて、強いぞって声かけてたんだよね。
そのあとも擦りむいた膝を洗って、絆創膏まで貼って、家まで送り届けてた。
そんくらい、優しいやつなんだよね。」
「へー、よく見てるんだね。
でもちょっと気持ち悪いね。」
「うるせーよ!
……別にいいだろ。」
「うん、全然いいよ。
いいと思う、お似合いだよ。
応援してる。」
「……あいつ、さっきはあんなこといってたけど
本当に快斗のこと好きだったんだよ。
遠足の日にフラれて、結構落ち込んでたしさ。
でも今は本当に二人のこと応援してるし。
……だから、別れたりすんなよ?」
「……私から別れることはないよ。」
「そ、ならよかったわ。」
「暁斗くんは告白しないの?」
「したってフラれるだけだし。
今の関係が崩れるくらいなら、片想いで十分。」
「……そうかなぁ…」
「そうだよ。
あー、腹へった。戻ろ。」
暁斗くんはそういって教室に戻ったから、私も教室へと戻った。
……だけど、そこには当然、機嫌の悪い快斗が待ち受けているわけで…
「俺の桜子ちゃんに触んなよ。」
むちゃくちゃなことを暁斗くんに言っていた。