暴走族に恋をする。
友達と彼女--快斗side
***
「快斗、そんなとこでなにしてんの?」
「…んー、別に?」
朝、桜子ちゃんと一緒に登校してからトイレに行き、戻ると教室では暁斗と桜子ちゃんが仲良さそうに話していた。
「え、まさか暁斗に嫉妬してるわけ?」
「ちっ、ちが!」
「……さすがに友達なんだからお喋りくらいするでしょ…」
「…そうなんだけどさ」
なんか、俺だけが知ってた笑顔がどんどん広まってって
俺のだけじゃなくなった気分…
「ま、確かにたった1日でけっこう仲良くなったよね、あの二人。
なに話してたか聞いても二人してぜんっぜん教えてくれないしね。」
「そうそれ!
教えてくれたっていいのになー…」
……なんか、前は俺しかいなかったから俺を好きになってくれただけで
今暁斗も仲良くなったら、暁斗の方がよくなったりしないよな…?
あいつは暴走族でもなんでもないし……
「でもさ、不安にならなくていいんじゃない?
昨日の放課後、ちらっとあの二人の会話盗み聞きしたら桜子、
快斗の好む女の服を暁斗に聞いてたから。」
「え、俺のこと?」
「そ。
まぁそういうのは本人に聞くのは恥ずかしいっていうタイプだし、だから暁斗に聞いて快斗には内緒なんじゃない?」
「…ふーん、ならいいや。」
へー、俺のことか。
俺がいないとこで俺の話してるのか。
なんだそれ、嬉しすぎるんだけど。