暴走族に恋をする。
初デート
***
━━━土曜日、放課後
「ちゃんと誘いなよー?」
「わ、わかってるよ…」
帰りのSHRが終わってから、私は暁斗くんと少しお喋りをしていた。
たまたまトイレ出たところで会ったから。
「で、出来れば告白まで頑張ってね。」
「……それは相当レベル高いんだけど。」
そしてあんなに仲良しなのに、莉奈とまだ遊んだことがない暁斗くんは今日、莉奈を誘う。
……たぶん。
でも今日莉奈にはなにも予定がないことはちゃんと確認済み。
きっと暁斗くんが誘えば莉奈は一緒に遊びに行くはずだから。
「あー、ちょっと待って。
まだ心の準備が…」
……なのに、肝心な暁斗くんがこれじゃあね。
「もー、快斗変に思うじゃん。
最近暁斗くんといるとすぐ不機嫌になるし。」
「そ、そうなんだけど…」
「しかも連休まであと1週間もないんだし。
早く言わないと莉奈も予定入れちゃうよ?
今日遊びに誘って、告白して、連休はデートの約束。
しなきゃいけないこといっぱいあるんだから頑張りなさい。」
「……はい。
はい。……そうなんだけどさ…」
もー、私行っちゃうけど。
快斗怒るもん。
怒った時の快斗の迫力やばすぎるから怒らせたくないんだけど。
暁斗くんならその気持ち、わかってくれるでしょ。