暴走族に恋をする。
「じゃあお肉がいい。」
「あ、俺も肉が好き!やったね~。」
……なにが"やったね"なんだろ。よくわかんないなぁ。
「ちなみに今日は何時までいいの?」
「基本的に22時半までに家にいれば、なんにも言われないかな。
どうせ勉強してるって思われてるから。」
「そういえば今日は勉強しなくていいの?」
「……たまには…
前もいったけど、私は好きで勉強してきたわけじゃないから。
快斗とか黒崎くんたちがいればすぐに取り返せるかなって。」
私も、快斗みたいに遊びと勉強を両立したくなった。
快斗となら……それができる気がするから。
「……あのさ、すげーわがまま言っていい?」
「程度によります。」
「…俺が知らないところで男と会わないで。」
……想像以上なわがままだな…
「………じゃあ、知ってればいいの?
たとえば今日なら暁斗くんと二人で話してくるって最初に言えば怒らなかった?」
「…って言われるとイヤだけど…」
嫌なんじゃん。
なんでそんな嫌なのかなぁ…
私は快斗が女と二人で話しててもなんにも言わないのに。
「……でも、俺もなるべく我慢するから!」
「あのさ、快斗。」
「な、なに!?」
……なにそんなキョドってんの。
いつもは余裕たっぷりなくせに。
「…私は誰と話しても、快斗以外の人を好きになったりしないよ?
だから少しは余裕もったら?」
そもそも、私にまた感情を芽生えさせたのは快斗だけなんだから。
快斗以外に感情がまた芽生えたとしたなら、それもきっと快斗のおかげだから。