暴走族に恋をする。
━━━━━━━━━━━━━━・・・・
……なんででしょう。
今時のショッピングモールって、屋上があるんだね?
ショッピングモールの屋上はてっきり駐車場なんだと思ってたよ、私は。
なんなの、このお庭は。
子供たちが無邪気に遊んでらっしゃる。
…で、そんなここに似合わない…
……いや、この甘そうなキャラメル色の髪の毛をしていながら黒いオーラを身に纏った快斗は
完全に浮いている。
さーて、今日はどれだけ怒られるのでしょうか。
……私も気合い入れて言い返さないと、泣いちゃうよ。
よし、来い。不良君。
「……ごめんね。」
「…へ?」
え、え?ごめんね?快斗が謝ったよ?え?
……なんで?
「俺、怒ってばっかだよね。」
あ、あぁ…そういうこと…
「なんかもうさ、さっきも言ったけど俺、自分に自信無さすぎるせいか、すぐ嫉妬するし束縛したくなるし…
……ゆっきー相手でもさ、桜子ちゃんに近づいてほしくないんだよね。
そんなこと言うこともできないから離すことしかできなかったんだけど…
桜子ちゃんがまた強がろうとしてる顔見たら、俺って本当ダメだなって反省した。
……ごめんね。」
「快斗…」
……バカだなぁ、本当。
「別にいいよ、嫉妬しても。
どれだけ怒られても、束縛されたとしてもさ、私は快斗を諦めたりしないから。
強がってないって言ったら嘘になるけど、快斗に嫌われたくなくて強がるのも悪くないと思うんだよね、私は。」
私がちょっとだけ広角をあげて、高いトーンの声でそういうと、快斗も私に微笑んだ。
「それに、そんな風に思うなら、快斗だって強がんなくていいよ?
まぁゆっきーさんにもオチケンさんにも勉強教えてもらいたいから話すなとか言われたら困るけどさ。」
「いいよ、俺が一番近くにいるから。」
……ま、よかった…かな?
快斗の機嫌が直ったなら、それで。
「行こ、映画遅れるし。」
「うわ!そうだった!急ご!」
……忘れてたの?