暴走族に恋をする。
「…俺は見た目で人を判断したりしないよ。」
お父さんはそう言うと、やっと足を崩した。
「母さんと桜子はそうじゃないみたいだけどね。」
「……うるさいよ。」
「…俺も、人を見た目で判断しません。
気が合いますね。」
「はは、そうだね。」
「…あ、そうだ。」
快斗は突然なにかを思い出したかのように、また立ち上がった。
「ねぇ、お兄さんの仏壇は…」
「え…」
「俺にもお線香お供えさせてくれない?」
そういって、快斗はもうひとつの紙袋を私に差し出した。
中身は白いに紙に包まれた…お線香、かな。
「もちろんだよ。」
そういったのはお父さんだった。