暴走族に恋をする。



「…でも、快斗は乗ってないよ。」


それって大事なことだよ。
正しいことをしたいなら、まずは自分からだもん。


「これから、快斗くんはバイクに乗ったりするのか?」


「はい、乗りますよ。
今、自動二輪免許取得に向けて教習所へ通っています。」


「では誓ってほしい。
……桜子とこれからも交際していくなら誓ってほしい。

決して、ルールは破らないと。」


「もちろんです。」


お父さんの言ったことに、快斗はまた間髪開けずにそう答えた。


「法律というものは、日本国民が国民のためを想って定めたルールだということを、俺は常に胸に刻んでいます。」


「快斗…」


「未熟な日本の法律かもしれませんが、俺はそんな法律でも誇りを持っていますから。」


……そう、だよね。
お爺さんが関わってきた法律だって、きっとたくさんあるんだもんね。


「……そうか。わかった。
じゃあ免許がとれたら、気を付けて乗るんだぞ。」


「はい。」


……なんか、少し柔らかくなった。
緊張感がなくなった。

快斗のまっすぐさが、お父さんにも伝わったかな…?



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