暴走族に恋をする。


……にしても…


「快斗さ、そのパーカー怒られないの?」


快斗は制服の上、ワイシャツの上からパーカーを羽織っていた。


「え?全然怒られないよ。
公立だったら怒られそうだよね。私立って自由だから好きだよ。」


……なにそれ、どんな理由?


「それにパーカーなら暑ければ腰に巻いておけるじゃん?
桜子ちゃんこそブレザー暑くない?」


「……まぁ、朝はそんなに…
帰りは暑いかなって思ったんだけど代替品がなくて…なにも羽織らないのは寒いし…」


「ふーん。
……あ!じゃあ今日買いに行かない!?
塾まだ休みでしょ!?」


「あー、うん。まぁ…」


「じゃあ決定!やったねー、今日もデート~!」


語尾に音符が付きそうなくらい、快斗は嬉しそうにそういうから、その顔を見て私も自然と笑みがこぼれる。

私ごときでそんなに喜んでもらえるなら…ね。


「……でも快斗、教習所はいいの?」


「今日は元々とれなかったんだよねー。
明日からは毎日あるんだけどね。
だから今日くらい、桜子ちゃんといたいし!」


「そっか。」



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