暴走族に恋をする。
……だけど
「んー、ないかぁ。」
今は春。
さすがにカーディガンは季節外れなのか、見つけられなかった。
「普通秋だよね、カーディガンは。」
レディースにはあるにはある。
ただ制服にはあわないやつだし、メンズにはない。
仕方なく、私たちはお店を出ることにした。
「あ、あそこならあるよ!」
快斗はそういって、また私をどこかへ連れていく。
「快斗はやっぱり詳しいんだね、こういうところ。」
「詳しいっていうかみんな知ってると思うよ?
桜子ちゃんも俺と付き合って知っていくよ!」
「そっか。」
そういえば高校生多いなぁ…
みんな放課後はこういうところで遊ぶんだ。
まぁ私も中学生の時は来てたけど…やっぱりあの頃とはちょっと変わったね。
「ここだよ、ここ。」
そういって入るのは駅ビル。
私が中学生の時にリニューアルして、リニューアルしてからは初めてここに来る。
……だから、全くといっていいほど見たことのない景色となっていた。
「三階ね。」
三階…なのにエレベーター乗るの?
まぁいいけどさ…
「う、わぁ…ガラス張りなんだ。」
乗ってみてまずは驚く外の景色。
前はなかったのに…ここら辺が一望できそうだね。
「ついたよ。行こ!」
「うん。」
やっぱりあっという間についた三階。
三階にいくのにエレベーターなんて乗らなくていいのにね。