暴走族に恋をする。



で、本当に薄い桜色のカーディガンを一緒に買ってお店を出た。
そしたら目の前にはペット用品のお店があって…


「これかわいい。」


私は思わず、そのお店に入った。

すごく可愛い猫の首輪を見つけてしまったから。


「あー、さくらにぴったりだね!」


ピンク色のベルトに、桜の花のチャームがついていて、一際かわいく見えた。


「……さくらってもうお散歩してるの?」


「んー、どうかな。
俺んち庭はよく徘徊してるけどね。

でも獣医が言うにはもう生まれて2ヶ月はたってるみたいだから、いつ外に行ってもおかしくないけどね。」


「へぇ、そうなんだ。
ね、これ私買うからさくらにつけてもいい?」


「もちろんいいよ!」


「じゃあ買ってくる。待ってて。」


こんなにさくらにぴったりの首輪、他にある?

私と快斗がピンクのカーディガンを買ったから、さくらにもピンクの首輪でお揃いだね。


「お願いします。」


私が首輪をレジに出すと


「これも。」


快斗はそういって、ねこ用のおもちゃをひとつ。
…そしてお札もレジに置いた。


「え、ちょ…」


「だって俺んちねこだし?
桜子ちゃんに払わせられません!」


そんな会話をしていると、店員はさっさと会計を済ませ、お釣りを快斗に返していた。


「……なんか逆にごめんね?」


「え?なにが?
お金のことなら気にしないでよー
俺んち金あるから!」


い、いや…そうだとしてもね……


「で、今から俺んち来るよね?」


「え?まぁいいけど…なんで?」


「だってこれ早くさくらにつけたいじゃん!
勉強はまた夜あいつらとするとして、今からは俺んち!」


「はいはい、わかったよ。」



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