暴走族に恋をする。
━━━大津家
「お邪魔します。」
……本当、すごい豪邸だよなぁ…
ここは何度来ても慣れなさそう…
「こちらをお使いください。」
「ありがとうございます。」
そういって私にスリッパを出すこの家政婦さんは前回とは違う人だし…いったい何人雇ってるのさ…
「あ、桜子ちゃん!」
「あ…お邪魔してます。」
「いらっしゃい!ご飯食べてく!?」
「あ、いえ…お構い無く…」
そして快斗にそっくりなお母さん。
顔もそっくりだけど性格は本当に瓜二つだ。
「今日は外で食うから飯はいらないし。
それよりさくらは?」
「さぁ?いつものところか、庭じゃない?」
「そ、まぁ適当に見てみるわ。
行こ。」
「うん。
それじゃあ失礼します。」
「ごゆっくり~!」
……元気なお母さんだなぁ…
いいな、ああいうお母さん……
「ごめんね?うるさくて。」
「ううん、ぜんぜん。
こっちまで元気もらえる気がして、結構好きだよ。」
「ならよかった。
さて、さくらはどこかなー。
さーくーらー!」
快斗の部屋へと繋がる縁側で快斗がそう叫ぶと、向こうからさくらがこちらへ走ってきた。
「なにあれ、可愛すぎるんだけど。」
ちっちゃな体で走ってきてさ。
どんだけ快斗のこと好きなの、この子は。