暴走族に恋をする。
「ん、桜子ちゃん。
さくらにつける?」
「あ、うん。つけたい。
さくら、おいで。」
快斗から首輪を受け取り、ベッドに座って膝をポンポンとするとさくらがそこに乗ってきて、それがまたすごくかわいい。
なんでこの子はこんなに愛しいんだろう。
「これ、つけるから動かないでね?」
なんてさくらに語りかけるけど、さくらは私の膝で完全にリラックスモード。
なのでなにもついていない首に、ささっと首輪をつけた。
「ん、できた。」
キャラメル色のさくらに、このピンク色が映えてなんともかわいい。
さくらも負けじとかわいい。
「これでどこに行ってもさくらだってわかるね。
……私、まださくらの顔が見分けられないから…」
「そりゃまだ4回目だからね、さくらに会うの。」
「でもさくらは私のことを覚えてた。
さくらは記憶力がいいんだね。
……飼い主に似て。」
「はは、ほんとだね。」
くりくりな目、小さな顔、愛くるしい表情、人懐っこさ
そして、キャラメル色の毛。
どこまでも飼い主にそっくりだね。
「……桜子ちゃんって、さくらといるとき本当に優しく笑うよね。」
「え、そう?」
ぜんぜん意識してないんだけどな…
「俺はその惹き付けられたんだよー。
可愛いとか、美人とかじゃなくて、そうやって小さなねこに向ける優しい表情に、一目惚れしたの。
すげー優しい子なんだろうなって。」
「…そう、だったんだ。」
……じゃあ、やっぱり快斗は私を見た目で決めたわけじゃなかったんだ。