暴走族に恋をする。



「おっはー!二人とも!」


学校へつき、靴を変えていると暁斗くんも合流した。


「はよ。」


「おはよう。」


「今日の桜子ちゃんはピリピリモード全開だよ。」


「え?なんで?ケンカ?」


「はは、快斗とケンカしたら快斗と一緒に来ないよ。」


「……笑ってんじゃん。」


「そりゃ桜子ちゃんは八つ当たりなんてしねーし。
ね!」


「そうだね。」


「は?なに、意味不明なんだけど。」


体をはって、私を守ってくれた莉奈。
そんな莉奈のためなら、私だってなんでもできるよ。


「ってかそれ、もしかしてお揃い的な?」


「お揃い的なやつ。」


「いいよなー、ラブラブなやつは…」


そんな会話を聞きながら、私たちは教室へと向かった。







教室についてトイレも済ませ、3人でお喋りしてると、友達と高らかに笑う声を響かせながら、池田さんが教室へ入ってくるのが見えた。


「ちょっと行ってくるね。」


「じゃあ俺もー。」


「へ?どこに?」


一番窓側の一番前の私たちの席から、私と快斗、おまけに暁斗くんまでくっついてきて

私たちは真ん中の、一番後ろの席を目指した。


「池田さん、おはようございます。」


「……は?」


「コラ、桜子ちゃんが挨拶してんだから返せよ!」


……いや、別にいいけど。


「…おはよう。なんか用?」


「はい、用があるから話しかけに来たので。
ここだと周りの目もありますので、ついてきていただけますか?」


このクラス一番の派手でうるさくて悪目立ちしている池田さんに、静かで地味で根暗な私が話しかける。

それだけでも注目の的だ。


「は?なんで私が。
用があんならさっさといいなよ。」


「……わかりました。では単刀直入に言います。
昨日のあの男子二人は逮捕されました。

芋づる式に、池田さんのところにも警察がいくと思います。」


「……は?」



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