暴走族に恋をする。
「ま、とにかく池田は退学だね。
そのために俺は親父に話したんだけどね。」
「え、そうなの?」
「俺んちは寄付金納めてるからねー。
株式会社で言うなら大株主、筆頭株主かもね。
私立では多額の寄付金を払う保護者が強い。
しかもその息子は首席入学で、ライバルである名堂にも行けちゃうとなれば
俺を守るためにも、学校を守るためにも、池田を切り捨てるよ。
それこそ、逮捕が決まる前にね。
逮捕が決まってからじゃ、学校の名に傷がつくから。」
「……なんか、すごい大人の事情だね…」
「でもそれが利用できんなら利用しちゃえばいいじゃん?
だって俺ら、間違ったことしてる?」
「まぁ若干卑怯な気もするけど
……でもやっぱり、犯罪者は許せないから…」
加害者がのうのうと暮らしていくなんて、私は絶対に許せない。
「にしても、桜子ちゃんがここまで動くとはね。
あんまり人には興味なさそうなのに。」
「だって、友達だから。」
「……そっか。」
莉奈のためなら…
莉奈が戦うと決めたなら…
私も一緒に戦いたい。