暴走族に恋をする。
私の願い。
そして教室に戻ると
「どういうこと!?」
暁斗くんが私たちに食いついてきた。
クラスのみんなも、明らかに私たちに注目して。
「だから言えないって。
言うにしてもこんな人の多いところでは言えないよ、絶対。」
莉奈が強姦されそうになった、なんて…
そんな噂が流れたら、莉奈はまた絶対に傷つくから。
「あ、そういや自習だってさ~。」
快斗はそういって、私の手を引き席へと向かった。
…しかもなぜか暁斗くんは私の後ろ。
そこ、伊藤さんが座りますけど。
「あ、そうだ暁斗。
早坂も今日休みだってさ。」
「え!なんで?」
「用事があるんだとさ。
ね、桜子ちゃん。」
「うん、残念だね。」
莉奈がいないだけで、なんか物足りない気がするもん。
「ってかさー、もうすぐテストじゃん。
ってかもう来週じゃん?
今日とか俺に教えてくれる気ない?」
「むり。
今日は教習所の時間まで桜子ちゃんとデートだから。
ね!」
「え、そうなの?」
「そうだよ!一緒に本屋いこ。」
「うん、それはいいけど。」
ま、快斗が行ったあとに黒崎くんたちと少しやればいいか。
「あ、じゃあ数学わからないところ、今聞いてもいい?」
「もっちろーん!どれ?」
「じゃあそれを俺も盗もっと。」
結局、3人で勉強タイムなんだけどね。
すごい図だよ。
キャラメル色の髪の毛の快斗と、栗色の髪の毛の暁斗くんと、チョコレート色の髪の毛の私が自習時間に自主勉なんてさ。